この間、知り合いが開催していたアートイベントに遊びに行ってきた。 

末広町から徒歩3分くらいにある『アーツ千代田3331』というイベントスペースでおこなわれていた、『群青建築展』だ。

1室まるまる使った展示会になっており、7名のアーティストによる個性的な作品が並んでいた。



一通り作品を見終わったとき、部屋の一角に空白のスペースがあることに気がついた。
そこだけ作品がなにも置かれておらず、真っ白な壁が剥き出しになっているのだ。

最初はただ、作品数が足らずにたまたまスペースが空いてしまったものだと思っていた。

しかし、だ。
ここはアートイベントであり、独特の感性を持った人たちが何ヶ月もかけてイベントに向けて準備してきたはず。

そんなイベントにおいて、 意味もなく空白のスペースをつくるだろうか?

もしかしたら、アートに疎い僕には分からないような、なにか深いメッセージがこの空白のスペースにあるのではないか?

甘く見てもらっては困る。僕は気づいてしまった。

この群青展でいちばん見せたい作品はこの「白い壁」であり、ただの「空白」という、人間が手を付けられないものこそ美しいという裏テーマを表しているのでは?

つまり、余白の美学を伝えたいのではないのか。きっとそうだ。深すぎる。

すっかり感動してしまった。



本当の企画の意図を知り、ひとしきり他の作品も見終わったあと、主催者である友人と話していた。

するとおもむろに、空白だったスペースに椅子を並べ始めた。

聞くと、お客さんが座れるように休憩スペースを作っているらしい。

「本当は展示室の中に空白のスペースができるのは良くないんだよね〜(笑)だから休憩スペースにしちゃおっ」