サピエンス全史

今回の書評は、『サピエンス全史-文明の構造と人類の幸福-』です。

長すぎて上と下にわかれているので、書評も2回にわけていきたいと思います。

ということで、今回は上の内容から!
例のごとく、要約ではなくてぼくが気になったところを重点的に見ていきます。

そもそもサピエンス全史の内容とは、タイトルの通り、人類が繁栄するに至った経緯やその要因、そんなものを網羅したものになっています。

・サピエンスの認知革命
・虚構と共通の神話
・農業革命
・ヒエラルキーと女性
・貨幣について


という5項目から、この本を概観していきたいと思います。。

サピエンスの認知革命

では、まず、我々ホモサピエンス(以後、サピエンスと呼びます)がなぜ現代まで生き残ることができたのか?ということを考えていきたいと思います。

ぼくらの祖先であるサピエンスたちは、ネアンデルタール人やホモエレクトスと共存し、ときには争う時期がありました。

そんな中でサピエンスが生き残ることになった要因の一つに、『認知革命』という現象があげられると言います。
認知革命とは、7万年前~3万年前にかけて見られた、サピエンスに新たな思考と意思疎通の方法が確立した事象のことをいいます。

サピエンスのみに見られたこの変化により、他の種の人類を一掃するくらいほどの知恵をもつに至りました。

この突然変異により、サピエンスは柔軟な言語を扱えるようになり、お互いの意思疎通がよりスムーズに、より詳細におこなえるようになったのです。

虚構と共通の神話

他の種の人類を一掃したサピエンスは数を増やし、世界中に散らばるようになりました。

しかしながら、人間の集団というのは150人をこえると機能しなくなると言います。
150人をこえるとお互いのことを知ることも親密になることもできないというのです。

ではサピエンスはどうやってそれを乗り越えたのか。どうして数が増えても大都市やコミュニティを築くことができたのか。

その理由は、『虚構と共通の神話』にあります。

これは例えば、宗教や国家などが当てはまります。

たとえお互いのことを知らなくとも、「同じカトリック教徒である」「同じ日本人である」といった共通の理念さえあれば、お互いに信頼して、千や万の単位の集団であってもうまく機能するようになるのです。

農業革命

認知革命に続きサピエンスにおこった革命が、『農業革命』です。

これは紀元前9500年~8500年ごろにおこりました。

それまで狩猟採集しかしていなかった人類は、ついに農業をする技術を習得したのです。

もちろんこれは人類にとっては大きな進歩ですが、当時の人たちからしたらより生活は困難になったといいます。

なぜなら、食料が増えることによって人口爆発と格差が広がったからです。

それまで狩猟でその日暮らしをしていたサピエンスたちは、大量に食料を備蓄することは難しかったのですが、農業が始まることで食べ物を蓄えるようになりました。

こうして持つ者と持たざる者が生まれ、人類の格差は広がっていったのです。

ヒエラルキー

現代にも根深い問題としてあげられるのが差別の問題です。

宗教による差別、人種による差別など、地域や時代によってさまざまです。

その中でも、時代や地域に関係なく普遍的に発生する差別が女性への差別なのです。
しかもこれは、サピエンスに特有の問題であるといいます。

たとえばボノボやゾウの社会では、メスたちが協力し合う強力なネットワークが形成されているといいます。
そこで非協力的に振る舞うオスがいたら、メスたちに打ちのめされるというのです。


サピエンス特有の男女格差、もちろん時代を経るごとに改善はされていってるけども、根本的な部分は変わっていないというのが現状なのです。

貨幣について

人類がもつ共同幻想・神話で最も大きな影響を及ぼしているといえるのが、貨幣の存在です。

なぜなら、貨幣それ自体にはほとんど価値はありませんが(ただの紙とかである)、皆が「お金には価値がある」と考えるからこそ役割を担うことができるからです。

そのときに重要な要素となるのが信頼です。皆が相互に価値を信頼しているからこそ機能するという、心理的な概念に他ならないのです。
これまで考案されたもののうちで、貨幣は最も普遍的で、最も効率的な相互信頼の制度なのだ
筆者がこのように言うように、貨幣というものは成果で同時多発的にうまれた、最も優れた共同幻想なのです。

まとめ

さて今回は、サピエンス全史の前半部の書評を書きました。

サピエンスが進化する過程と現代社会との関連なども記されており、非常に楽しくスラスラと読むことができました。

後半も読み終えたらアップしていきます~!
 
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